徳島でご夫婦お二人で暮らしていらっしゃる方から、「元気なうちに、家の中を片付けておきたい」というご相談をいただくことが増えました。ただ、生前整理をご夫婦で始めると、おひとりで進めるときには出てこない迷いが顔を出します。物の持ち主が二人いて、片付けに向かう気持ちにも温度差があるからです。この記事では、2009年創業の便利堂ネコの手が、ご夫婦二人暮らしの生前整理を「物」と「情報」の二方向から、無理なく続けられる順番でご案内します。
・ご夫婦だけのお住まいで、片付けが止まりやすい三つの理由
・物より先に整えておきたい「情報」の四つの引き出し
・保険の在りかが分からなくなったときに使える制度と、その要件
・お互いの物をめぐって、もめずに続けるための約束ごと
目次
ご夫婦だけのお住まいは、めずらしくありません
内閣府の令和8年版高齢社会白書によると、65歳以上の方がいらっしゃる世帯は令和6年で2,760万4千世帯あり、全世帯の50.3%を占めています。そのうち夫婦のみの世帯と単独世帯が、それぞれ約3割です。お子様が独立され、ご夫婦お二人になったお住まいは、いまや標準的な姿のひとつだといえます。
同じ白書には、65歳以上でお一人暮らしの方の割合の推移も載っています。令和2年の時点で男性15.0%・女性22.1%、令和32年には男性26.1%・女性29.3%になると見込まれています。ご夫婦のお住まいが、時間の経過とともにお一人のお住まいへ移っていく——その流れが、統計の上でも続いていくと見られているということです。
徳島県に目を向けると、令和6年の高齢化率は35.7%で、令和32年には44.8%になると推計されています(同白書 表1-1-10)。全国で最も高い秋田県が39.5%、最も低い東京都が22.7%ですから、徳島は高齢化が先に進んでいる地域のひとつということになります。
数字を並べましたが、不安をあおるためのものではありません。お伝えしたいのは、ご夫婦のうちどちらが先に体調を崩されても、残る方が困らないように、物と情報を二人で分かる形にしておくと、その先がずいぶん楽になるということです。生前整理と聞くと身構えてしまいますが、実際にやることの大半は、お二人の暮らしの段取りです。
内閣府「令和8年版高齢社会白書(全体版)」第1章第1節「3 家族と世帯」(図1-1-8、図1-1-9)および「4 地域別に見た高齢化」(表1-1-10)。世帯の数値は令和6年、一人暮らしの割合は令和2年までが実績値・令和32年は推計値です(2026年9月7日確認)。
ご夫婦の生前整理が、おひとりの片付けと違う三つのこと
お一人で進める生前整理と、ご夫婦で進める生前整理は、同じようでいて勝手が違います。ご相談をお聞きしていると、つまずく場所はだいたい次の三つに集まります。
① 物の持ち主が、二人いる
押入れの箱を開けたとき、それが自分の物なら「残す・手放す」を決められます。ところが相手の物だと、その場で判断ができません。かといって一つひとつ確認していると、片付けは進まないまま日が暮れてしまいます。ご夫婦の生前整理でいちばん多いつまずきは、この「これは誰の物か」で手が止まるという現象です。
② 片方だけが乗り気、というのはよくあること
「私は片付けたいのに、主人がまったく動いてくれない」「妻が急に物を減らすと言い出して落ち着かない」。どちらのお声も、同じくらいよく伺います。片付けたい方には「先に整えておきたい」という理由があり、気が進まない方には「まだ使う」「思い出がある」という理由があります。どちらも間違っていないので、話し合いは平行線になりやすいのです。
ここで大切なのは、相手を説得しようとしないことだと思います。ご自分の物から手をつけて、片付いた場所を見てもらう。数か月かけてそれだけを続けたご夫婦が、あるとき相手の方から「私のもやろうか」と声が出た、というお話も伺います。急がず、少しずつが、結果的に近道になります。
③ 置き場所を知っているのが、片方だけ
これは物そのものより深刻になりやすい問題です。通帳や保険の書類、お住まいの権利証、かかりつけの病院や飲んでいるお薬のこと。ご夫婦のどちらか一方が把握していて、もう一方は「どこかにあるはず」という状態のお宅は、決してめずらしくありません。
ふだんは何も困りません。困るのは、把握しているほうが入院された日です。手続きに必要な書類の場所が分からず、家じゅうを探すことになります。だからこそ、生前整理では物より先に情報を整えるほうが、効き目が早いのです。
先に整えるのは、物より「情報」です
ご夫婦二人暮らしの生前整理は、情報の共有から始めるのがおすすめです。物と違って場所を取らず、体力も使わず、一日で形になります。そして効き目がいちばん大きいところでもあります。
情報を、四つの引き出しに分ける
難しく考えず、紙一枚に次の四つを書き出してみてください。それぞれ「どこにあるか」まで書くのがポイントです。
● お金のこと
取引のある金融機関の名前と支店、通帳やキャッシュカードのしまい場所、年金の振込先。公共料金や携帯電話、新聞などの引き落としがどの口座から出ているかも、書いておくと後で助かります。
● 保険と年金のこと
生命保険・医療保険・共済の会社名と、証券のしまい場所。年金手帳や年金証書の場所。加入している保険がいくつあるのか、ご本人でも意外と思い出せないものです。
● 住まいのこと
土地建物の権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書、火災保険の証券。ご実家や田畑を別にお持ちの場合は、その所在も。
● からだのこと
かかりつけの医院、飲んでいるお薬、お薬手帳の場所、持病やアレルギー。ご入院のときにそのまま役立ちますし、救急のときにも助けになります。
一覧に書くのは「どこの金融機関か」「どこにしまってあるか」までにしておき、暗証番号やインターネットバンキングのパスワードそのものは書かないほうが安心です。防犯の面から、一覧と通帳・印鑑は別の場所に保管なさってください。
保険の在りかは、ご本人以外には分かりません
ご遺族のお片付けに伺うと、古い証券や保険会社からのお便りが、思わぬ場所から出てくることがあります。ご本人以外は、どこの保険に入っていたかを知る手がかりが少ないためです。
こうした場合に備えて、一般社団法人生命保険協会が生命保険契約照会制度という仕組みを設けています。ご親族等が亡くなられた場合、または認知判断能力が低下した場合(医師による診断が必要です)に、その方が契約者または被保険者になっている生命保険契約の有無を、協会が会員の生命保険会社に照会してくれる制度です。利用にあたっては、調査の対象となる方お一人につき利用料がかかります。
逆に言えば、ご夫婦がお元気なうちは、この制度は使えません。ご存命で、判断能力にも問題がない方の契約は対象外だからです。だからこそ、今のうちにお二人で確かめておく意味があります。
ただし、この制度で分かるのは契約があるかどうかまでです。契約の内容の確認や保険金の請求は、その後ご自身で各保険会社へ連絡することになります。すでに解約済み・失効済みの契約なども対象には含まれません。
一般社団法人生命保険協会「生命保険契約照会制度のご案内」(2026年9月7日確認)。利用料の金額・申請の方法・受付の状況は変わることがあります(実際、システムの不具合や点検で一部の申請方法が止まることもあります)。ご利用になるときは、必ず生命保険協会の公式サイトで最新のご案内をご確認ください。
裏を返せば、証券の場所をお二人で分かるようにしておけば、この手間も費用もかからないということです。情報の整理を先にとお伝えしているのは、こうした理由からです。
書き出したものを、どこに置くか
せっかく書いても、しまい込んでしまっては元も子もありません。「居間の引き出しの、いちばん上」のようにお二人が知っている一か所を決めて、そこに置いてください。年に一度、お正月やご結婚記念日など決まった時期に開いて、変わったところを直す。それだけで十分に役目を果たします。
もう少し丁寧に残したい場合は、エンディングノートを使う方法もあります。書き方や、生前整理と並行して進めるときの順番は、徳島の生前整理、エンディングノートと並行で進める書き方と手順でご説明しています。
物は「二人の物・それぞれの物・思い出の物」に分ける
情報が整ったら、いよいよ物です。ご夫婦の場合は「いる・いらない」で分ける前に、誰の物なのかで三つに分けると、判断がずいぶん軽くなります。
二人で使う物|使っている頻度で決める
食器、鍋、来客用の布団、掃除道具、車。お二人で使う物は、「どちらかが使っているか」を先に確かめると、話がまとまりやすくなります。片方が使っているなら残す。二人とも手に取っていないなら、手放す候補に回す。持ち主のはっきりしない物ほど、この一言で決まります。
とくに数がたまりやすいのが、来客用の食器と寝具です。お子様やお孫さんが帰省されるときのためにと取ってあるものの、実際に使うのは年に一度か二度、という場合も多いものです。「何人分あれば足りるか」をお二人で決めて、その分だけ残す。これだけで押入れがひとつ空くこともあります。
それぞれの物|相手の物には手を出さない
ご主人の工具や釣り道具、奥様の着物や手芸の材料。こうしたものは、持ち主でなければ価値が分かりません。よかれと思って処分したことがきっかけで、長く気まずくなってしまった——そんなお話も伺います。
おすすめしているのは、「相手の物は、置き場所の相談まで」という線引きです。「この部屋に集めてもらえたら助かる」とはお願いする。中身をどうするかは持ち主が決める。この約束があるだけで、片付けはずいぶん進みやすくなります。
思い出の物|「二人の思い出」と「その人の思い出」を分ける
ご夫婦の家の思い出の品は、二種類が混ざっています。結婚してからの写真や旅先の品のようにお二人で共有している思い出と、ご結婚前の写真や恩師からの手紙のようにその方お一人の思い出です。
前者は、お茶でも飲みながら一緒に見返す時間を取るのがおすすめです。「これは残そう」「これはもう写真で十分」と、その場で二人の答えが出ます。後者は、持ち主にお任せしてください。他人からは価値が見えない品ほど、その方にとっては手放せないものだったりします。残す物の基準の立て方そのものは、60代から考える「身辺の身軽さ」の記事でくわしくご説明していますので、あわせてご覧ください。
なお、アルバムやフィルムは、まとめてデジタル化しておくと、お子様やお孫さんにも渡しやすくなります。私どもでは、写真やフィルムのデジタル化を扱う業者のご紹介も承っています。
大きな物は「決めるだけ」を先に済ませる
タンス、ベッド、ピアノ、物置の中身、そしてお仏壇。ご夫婦二人では動かせない物は、その日に片付けようとせず、どうするかを決めておくだけにとどめてください。行き先さえ決まっていれば、あとは業者の作業日にまとめて運び出せます(お住まいの広さやお荷物の量によっては、複数日に分けてご案内することもあります)。
なお、大型の物を自治体の粗大ごみに出せるかどうか、費用がいくらかかるかは、同じ徳島県内でも市町村ごとに制度が違います。お仏壇を手放すときの考え方と手順は徳島で仏壇を処分するには、市町村ごとのルールの違いについては徳島県西部の実家の遺品整理で、公表されている制度をもとにご説明しています。
もめずに続けるための、五つの約束ごと
ご夫婦の生前整理は、勢いで一気に進めるより、細く長く続けたほうがうまくいきます。実際にうまく進んでいるお宅で共通していることを、五つにまとめました。
● 一回30分、一か所だけ
「今日は玄関の靴箱だけ」と決めて、時間が来たら終わりにします。ご高齢になると、片付けは思っている以上に体にこたえます。区切ってしまったほうが、翌週も続きます。
● その場で決まらない物は、その日は決めない
お二人の意見が割れたときは、無理に結論を出さないでください。「次に開けたときにもう一度考える」でかまいません。片付けが止まる原因の多くは物の量ではなく、決められない一つの物の前で二人とも動けなくなることです。
● 相手の物は、聞くだけ
「これ、どうする?」まではよいのですが、その先を決めるのは持ち主です。返事が「まだ置いておく」でも、その日はそれで良しとしてください。
● 手放す前に、写真を一枚
思い入れのある家具や品物は、写真に撮ってから手放すと、気持ちの整理がつきやすくなります。あとからお子様に「あれ、どうしたの」と聞かれたときにも役立ちます。
● 体調や介護の話が出てきたら、公的な窓口へ
片付けの途中で「そろそろ手すりが要る」「介護保険はどうしたら」という話になることがあります。片付けの手を止めて、公的な相談窓口を頼ってください。徳島市の場合は、一般社団法人徳島市医師会への事業委託により地域包括支援センターを1か所設置し、身近な相談窓口として在宅介護支援センターを市内14か所に置いていると案内されています。設置の状況は市町村によって異なりますので、他の地域にお住まいの場合は、各市町村の高齢福祉担当課にお問い合わせください。
徳島市「地域包括支援センター及び在宅介護支援センター」(最終更新2025年10月31日・2026年9月7日確認)。センターの数や連絡先は変わることがありますので、ご利用の際は徳島市の公式ウェブサイトで最新の一覧をご確認ください。
施設への入居が具体的になってきた場合は、持ち物の選び方が変わってきます。その進め方は徳島の生前整理、施設入居前の持ち物の選び方と実家の片付け手順に、お一人になられた後の備えについては徳島でひとり暮らしの終活にまとめています。
なお、相続や遺言、贈与、税金の取り扱いについては、ご家庭ごとの事情によって答えが変わります。具体的な進め方は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家にご相談ください。
お二人だけでは運べない量になったら、ご相談ください
便利堂ネコの手は、2009年の創業以来、徳島県全域でお片付けのお手伝いをしてまいりました。生前整理では、お客様のご意向とペースを何より大切にしています。「一部屋だけ」「半日だけ手伝ってほしい」といったご依頼から、数回に分けての作業まで、ご希望に合わせてプランをご提案いたします。
仕分けは、ご本人と一緒に進めます。私どもが勝手に選ぶことはありません。手放される品の中に着物や骨董、貴金属などがあれば買取査定でお戻しし、お仏壇やお人形などは提携寺院での合同供養・お焚き上げにも対応しています。ご希望に応じて女性スタッフが伺うこともできます。
ご相談と訪問お見積りは無料で、出張費やキャンセル料はいただきません。お見積りでご提示した金額以外の追加料金もいただかない方針です。作業内容と費用の目安は料金ページ、当日までの流れは作業の流れ、サービスの内容は徳島の生前整理のページにまとめています。「まだ何も決まっていない」という段階でも構いませんので、お問い合わせからお気軽にお声がけください。
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