「実家が空き家になったけれど、自分は県外に住んでいて年に数回しか帰れない」「片付けはいずれするつもりだが、それまでどう管理すればいいのか分からない」――徳島のご実家を離れて暮らすご家族から、こうしたご相談をよくいただきます。2009年の創業以来、徳島県全域で遺品整理・生前整理・空き家整理片付けをお手伝いしてきた便利堂ネコの手にも、「片付けの前に、まず今の状態をどうにかしたい」というお声が年々増えています。
本記事では、遠方にお住まいのままご実家の空き家を管理していくための、具体的な進め方を整理しました。年に数回の帰省で何を見ておくか、自分で行けないときにどこへ頼めるか、そして管理の負担そのものを軽くする方法までをご案内します。
● 空き家の管理が所有者の責務とされている理由と、放置したときに起きること
● 帰省1回でひととおり見ておきたい、屋内・屋外のチェック項目
● 行政が案内している相談先と、維持管理の頼み先
● 管理の負担を根本から軽くする「先に片付けておく」という考え方
目次
空き家の管理は所有者の責務とされています
まず前提として押さえておきたいのが、空き家の管理は所有者・管理者の責任として位置づけられている、という点です。徳島市の公式サイトでも、建物や敷地は個人あるいは法人の所有物であり、これらの適切な管理に努めることは所有者や管理者の責務であると明記されています。空家等対策の推進に関する特別措置法は平成27年5月に全面施行され、令和5年12月に一部改正が施行されました。
放置された空き家で実際に起きていること
徳島市は、空き家を放置することによる悪影響の具体例として、次のようなものを挙げています。
- 家屋等の倒壊による周辺への損害
- 家屋等の一部が落下や飛散することによる周辺への損害
- 家屋等への不審者の侵入や犯罪への利用
- 敷地内へのゴミの不法投棄
- 害虫の発生や動物の棲みつき
- 隣地等への樹木等の越境
いずれも、遠方にお住まいだと気づくのが遅れやすいものばかりです。とくに樹木の越境や落下物は、ご近所の生活に直接影響します。徳島市は、こうした問題を放置して周辺の住民などに迷惑をかけた場合、損害賠償請求の対象となる場合があるとも案内しています。「まだ誰にも迷惑をかけていないはず」と思っていても、状況は季節ごとに変わっていきます。
管理されない状態が続くとどうなるか
管理されないまま傷みが進んだ空き家は、行政からの指導や、固定資産税の軽減措置に関わる段階へ進んでいくことがあります。この流れについては、徳島で空き家を放置する5つのリスク|特定空家と固定資産税6倍を解説で制度の内容を詳しくご説明していますので、あわせてご覧ください。本記事では、そこに至る前の段階――日々の管理をどう回していくかに絞ってお話しします。
年に数回の帰省で、何を見ておくか
徳島市は、そのまま所有し続ける場合の対応策として「定期的に空き家の点検や手入れをこまめに行う」ことを挙げています。とはいえ、県外にお住まいの方が毎月通うのは現実的ではありません。そこで大切になるのが、限られた回数の帰省で、見るべきところを漏らさないことです。順番に整理します。
建物の中で見ておきたいこと
● 風を通す
到着したら、まず窓を開けて空気を入れ替えます。閉め切った状態が続くと湿気がこもり、カビや建材の傷みが進みやすくなります。滞在中はできるだけ開けておき、帰る前に戸締まりを確認します。
● 水を流す
台所・洗面・浴室・トイレの水を、それぞれしばらく流します。長く使われていない排水口は、封水(トラップにたまっている水)が蒸発して下水のにおいや虫の通り道になることがあります。水道を止めているお宅では、この作業ができない点も含めて、契約を残すかどうかを検討しておくとよいでしょう。
● 水漏れ・雨漏りの跡を探す
天井や壁のシミ、押入れの中の湿り、床のたわみは、前回の訪問時と比べて変化が出やすい場所です。同じ位置から写真を撮っておくと、次回に見比べられます。
● 分電盤・元栓を確認する
使っていない電気設備のブレーカーを落としておく、ガスの元栓を閉めておくといった対応は、防災の面でも意味があります。再開のたびに手続きが必要な契約もありますので、次回の予定と合わせてご判断ください。
建物の外で見ておきたいこと
● 庭木と雑草
先ほどの徳島市の例示にもあったとおり、隣地への樹木の越境はご近所とのトラブルにつながりやすい項目です。徳島は温暖で、夏場は草木の伸びが早いため、春から秋にかけては特に注意が必要です。枝が隣家や道路にかかり始めていないか、目線を上げて確認してください。
● 郵便物
郵便受けにたまった郵便物は、外から見て「管理されていない家」という印象を与えます。日本郵便の転居・転送サービスを利用すると、郵便局の窓口・ポスト投函・e転居のいずれかで転居届を提出することで、届出日から1年間、旧住所あての郵便物等を新住所へ無料で転送してもらえます。期間が過ぎると差出人に返還されますので、続ける場合は改めて届出が必要です。なお、これはお引越しに伴う住所変更のための仕組みで、届出には本人確認が必要とされています。亡くなった方あての郵便物を転送するための制度ではありませんので、その場合の取り扱いは郵便局の窓口にご相談ください。手続きの詳細は日本郵便の案内でご確認ください。
● 屋根・外壁・雨どい
瓦のずれ、外壁のひび、雨どいの詰まりや外れは、地上から見上げるだけでもある程度わかります。台風の多い季節の前後は、特に見ておきたいところです。屋根に上がるのは危険ですので、気になる箇所は写真を撮り、専門の業者にご相談ください。
● 敷地内のゴミ・置き去りの荷物
敷地の隅に置かれたままの家具や家電、外から投げ込まれたゴミは、放置するとさらに不法投棄を呼び込みやすくなります。見つけた時点で片付ける段取りを考えておくと、傷みの連鎖を止められます。
訪問のたびに、外観4方向・各部屋・気になった箇所を同じ構図で撮影しておくと、傷みの進み方が目に見えるようになります。ご家族で共有しておけば、離れて暮らすきょうだい間で「そろそろ動いたほうがいい」という話も進めやすくなります。
自分で行けないとき、徳島ではどこに頼めるか
「そもそも年に一度も帰れない」というご事情もあります。徳島市は、自身で空き家の管理を行うのが難しい場合は維持管理業者に依頼することを対応策として挙げています。この点については、行政が窓口や連携先を整理してくださっている仕組みがありますので、順にご紹介します。
市の連携協定を結んでいる専門団体
徳島市は、空き家に関する知識や経験を持つ専門団体と「空家等対策の推進に関する協定」を締結しています。分野ごとに相談先が整理されているのが特徴で、見回り・除草・樹木の剪定といった維持管理は、公益社団法人徳島市シルバー人材センターが担当分野として挙げられています。ほかにも、相続登記や財産管理は司法書士会、敷地の境界確認は土地家屋調査士会、売買や賃貸は不動産関係の団体、改修や除却は解体工事業・建設業の団体、というように窓口が分かれています。どこに聞けばよいか分からないときは、徳島市住宅課の空き家対策係(電話 088-621-5288)にご相談いただくと案内を受けられます。
県が設けている無料相談窓口
徳島県は、空き家に関する一般的な相談にワンストップで対応する窓口として「とくしま回帰」住宅対策総合支援センターを開設しています。同センターでは無料の空き家専門相談会を実施しており、弁護士・司法書士・税理士・建築士・宅地建物取引士といった専門家が対応すると案内されています。開催は予約制で、第2・第4木曜日の午後1時から午後3時まで(祝日の場合は翌日の金曜日)。電話での相談も申し込み時に相談できるとされています。相続の問題や売買・賃貸契約のことなど、内容を問わず相談できるのは、遠方にお住まいの方にとって心強い仕組みです。
あわせて、同センターは空き家管理サービスも行っていると案内しています。センターのサイトには「空き家所有者が県外に居住しているなどで、適正な管理ができない場合は、民間事業者等が行っている空き家管理サービスを利用するのも一つの方法です」と記されており、サービスの内容も外観だけの点検、外観と建物内をあわせて行う点検など、いくつかのメニューがあるとされています。まさに遠方にお住まいの方を想定した案内ですので、選択肢のひとつとして知っておかれるとよいと思います。
ご近所に連絡先をお伝えしておく
意外に見落とされがちですが、徳島市も有効な方法のひとつとして挙げているのが、緊急時に連絡をもらえるよう、ご近所の方に連絡先をお伝えしておくことです。台風で瓦が飛んだ、庭木が道路に倒れた、といったときに最初に気づくのは、やはり近くにお住まいの方です。帰省の折に一声かけて連絡先を渡しておくだけで、遠方からでは分からない変化を早い段階で知ることができます。あわせて、次に帰る予定の時期を伝えておくと、ご近所も声をかけやすくなります。
管理の負担を根本から軽くする方法
ここまで管理の進め方をご説明してきましたが、正直に申し上げると、家財が残ったままの空き家は、管理そのものが重くなります。荷物があると室内の点検がしにくく、湿気やにおいもこもりやすく、いざ売却や解体を決めたときにも、まず片付けから始めることになるためです。
先に家財を整理しておくと、選択肢が広がります
家財を先に整理しておくと、点検は室内をひと回りするだけで済むようになり、賃貸に出す・売却する・解体するといった判断も、そのときの状況に合わせて選べるようになります。売却や解体を見据えた家財処分の段取りは、徳島の空き家、売却・解体前の家財処分の進め方|片付けの段取りで詳しくご説明しています。
相続した空き家は、登記の状況もあわせて確認を
相続した空き家の場合、名義の状況も管理と切り離せません。令和6年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。名義が故人のままだと、売却や賃貸に進もうとした段階で手続きが止まってしまうこともあります。相続から活用までの全体像は、徳島で相続した実家の空き家、片付けから活用までのロードマップにまとめました。なお、登記や相続の具体的な手続きについては、司法書士など専門の方にご相談ください。
遠方からでも、片付けは進められます
「管理を続けるより、思い切って片付けてしまいたい」とお考えになったときも、徳島まで何度も足を運ぶ必要はありません。便利堂ネコの手では、お写真やお電話でのやり取りでお見積りをご案内し、鍵のお預かりから作業後のご報告まで、ご家族のご事情に合わせて進めさせていただいています。作業当日の様子はお写真でお送りできますので、遠方にいらっしゃっても状況をご確認いただけます。立ち会いなしで進める場合の具体的な手順は、徳島の実家の遺品整理を立ち会いなしで進める方法|遠方家族の手順で5つのステップに整理しておりますので、あわせてご覧ください。
お仏壇・神棚・お位牌など、そのまま処分するのは忍びないお品については、徳島県内の提携寺院での合同供養・お焚き上げのお取り次ぎも承っております。空き家整理のサービス内容は徳島の空き家整理片付けのページに、費用の考え方は料金のご案内にまとめておりますので、ご検討の材料になさってください。作業の進み方は作業の流れのページでご覧いただけます。
お見積りは無料で、事前にお伝えした金額から追加料金をいただくことはありません。女性スタッフの同行もご相談いただけますので、「まだ片付けると決めたわけではないけれど、費用感だけ知っておきたい」という段階でも、どうぞお気軽にお声がけください。徳島市はもちろん、鳴門市・小松島市・阿南市・吉野川市・阿波市・美馬市・三好市など県内全域にうかがっております。
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