ご家族が亡くなられたあと、悲しみが落ち着かないうちに、次から次へと手続きが押し寄せてきます。「何から手をつければよいのか」「いつまでにやらなければいけないのか」——徳島でお片付けのご相談をいただくなかでも、この戸惑いのお声は本当に多く伺います。この記事では、2009年創業の便利堂ネコの手が、亡くなられたあとの手続きを期限の近い順に整理し、そのうえで遺品整理をどのタイミングで始めるとよいかを、丁寧にご説明します。制度の根拠は法令や公的機関の公表内容で確かめたものだけを載せています。
・7日以内、14日前後、3か月・4か月・10か月・3年という期限の全体像
・徳島市の「おくやみコーナー」という、ご遺族の負担を減らす仕組み
・遺品整理を始めるタイミングの考え方と、先に探しておきたいもの
目次
まず7日以内|死亡届と火葬の手続き
最初の期限は、死亡届です。戸籍法第八十六条には「死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない」と定められています。届書には、医師が作成した死亡診断書または死体検案書を添えることになっています。
火葬については、墓地、埋葬等に関する法律に二つの定めがあります。第三条は「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない」、第五条は「埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない」としています。つまり、火葬には市町村長の許可が必要で、亡くなってから24時間は行えないということです。
この段階の書類のやりとりは、葬儀を依頼された葬儀社が代行してくださることが一般的です。ご遺族が役所へ何度も足を運ぶ場面は多くありませんが、「7日以内」という期限があること、火葬には許可証が要ることは知っておかれるとよいと思います。
この時期に、無理に片付けを始めなくて大丈夫です
葬儀の前後は、心も体も余裕がありません。この時期に「家の物をどうするか」まで考えようとすると、かえって判断を誤りやすくなります。急がなければならないのは、あとでご説明する賃貸物件の退去期日がある場合くらいです。それ以外は、ひと息ついてからで間に合います。
徳島市には「おくやみコーナー」があります
亡くなられたあとの手続きは、必要なものが人によって違い、しかも複数の窓口にまたがります。徳島市は、この負担を軽くするために「おくやみコーナー」を設けています。市の公式ウェブサイト(最終更新 2025年4月1日)には、開設の理由がこう書かれています。
身近な方が亡くなられた後の手続きは、亡くなられた方により、必要な手続きが異なります。また、複数の窓口にまたがることも多く、ご遺族の大きな負担となっています。そこで、こうしたご遺族の方のご負担を少しでも軽減できるよう「おくやみコーナー」を開設しています。
利用のしかたと、気をつけたい点
● 事前予約制です
設置場所は市役所1階の市民生活相談課内の相談室で、予約電話は 088-621-5039、受付時間は月曜日から金曜日の8時30分から17時まで(土日祝、年末年始を除く)と案内されています。予約の枠は9時、10時30分、13時30分、15時の4つです。
● 3日前までの予約が必要です
市は「利用したい日の3日前(土日祝日、年末年始を除く)までにご予約ください」としており、予約状況によっては利用日が1〜2週間後になる場合があるとも書かれています。思い立ってすぐに行ける窓口ではない、という点は押さえておきたいところです。
● 対象は市に住民登録があった方のご遺族です
利用できるのは、徳島市に住民登録があった方のご遺族と案内されています。取り扱う手続きとして挙げられているのは、保険年金課(国民健康保険、後期高齢者医療保険、国民年金)、高齢介護課・健康長寿課(介護保険、高齢者福祉)、障害福祉課(障害者手帳、医療費受給者証、特別障害者手当)、子育て支援課(子ども医療、児童手当、児童扶養手当)、市民税課・資産税課・納税課(税)です。
なお、おくやみコーナーを使わずに、直接それぞれの担当窓口で手続きすることもできます。その場合は予約は不要です。市は、死亡届提出後に必要となる手続きをまとめた「おくやみガイドブック」も公開しています。
こうした窓口の有無や名称、予約の要否は市町村ごとに異なります。徳島市以外にお住まいだった場合は、その市町村の公式ウェブサイトや窓口でご確認ください。制度の内容も変わることがありますので、実際に手続きされる前に最新の案内をご覧いただくのが確実です。
10日〜14日ごろまでの届出
世帯主が亡くなられたときの世帯変更届
住民基本台帳法第二十五条は、世帯またはその世帯主に変更があった方について「その変更があつた日から十四日以内に、その氏名、変更があつた事項及び変更があつた年月日を市町村長に届け出なければならない」と定めています。亡くなられた方が世帯主だった場合に関わってくる届出です。ただし同条には「政令で定める者を除く」というかっこ書きがあり、残る世帯員がおひとりだけになる場合など、届出が要らないとされるケースもあります。ご自身が該当するかは窓口でご確認ください。
年金の届出は「原則不要」になっている場合があります
年金を受け取っておられた方が亡くなられた場合、以前は死亡届の提出が原則として必要でした。現在は事情が変わっています。日本年金機構のQ&A(更新日 2025年11月4日)には「年金受給権者の死亡届は日本年金機構にマイナンバーが収録されている方につきましては、原則不要です。ただし、未支給年金の届出などは必要です。死亡届が必要な場合は、10日(国民年金は14日)以内に」提出するようにと書かれています。
法律の側を見ると、厚生年金保険法第九十八条第四項に「受給権者が死亡したときは、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の規定による死亡の届出義務者は、十日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない」とあり、続けて、戸籍法による死亡の届出をした場合(厚生労働省令で定める場合に限る)はこの限りでない、という趣旨のただし書きが置かれています。
ここで大切なのは、「届出が原則不要」であっても、受け取り残しの年金(未支給年金)の請求は別に必要になる場合があるという点です。ご自身のケースがどちらにあたるかは、年金事務所や年金相談センターにご確認ください。
健康保険・介護保険は市町村の窓口へ
国民健康保険や後期高齢者医療、介護保険に関する手続きは、お住まいだった市町村の窓口が担当です。徳島市の場合は、先ほどのおくやみコーナーの取扱いにも含まれています。資格に関する書類の扱いは近年変わってきていますので、返却が必要なもの・不要なものは窓口の案内に従ってください。
3か月・4か月・10か月・3年という区切り
ここからは、少し先の期限です。数字だけでも頭の隅に置いておかれると、慌てずに済みます。
3か月|相続を承認するか、放棄するか
民法第九百十五条第一項は「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない」と定めています。同項にはただし書きがあり、この期間は利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所で伸長することができるとされています。
この3か月は、遺品整理を考えるうえでとても大切な期限です。というのも、民法第九百二十一条第一号は「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」は単純承認をしたものとみなす、と定めているからです(保存行為などは除かれます)。同条第二号では、先ほどの3か月の期間内に限定承認も放棄もしなかったときも、同じく単純承認をしたものとみなすとされています。
借入や保証の可能性があるなど、相続放棄を検討されている段階では、お品物の扱いが後の判断に影響することがあります。何が「処分」にあたるかは個々の事情によって判断が分かれるところですので、片付けに着手される前に弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。当社でも、相続の方針が決まっていないというご事情を伺った場合は、無理に作業をおすすめすることはいたしません。
4か月|準確定申告
亡くなられた方に確定申告が必要な所得があった場合の手続きです。所得税法第百二十五条第一項は、相続人が「その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月を経過した日の前日」までに、税務署長へ申告書を提出しなければならないとしています。すべての方に必要になるわけではありませんので、該当するかどうかは税務署や税理士にご確認ください。
10か月|相続税の申告
相続税法第二十七条第一項は、課税価格の合計額が基礎控除額を超えるなどの要件にあたる場合に、「その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内」に申告書を納税地の所轄税務署長へ提出しなければならない、と定めています。相続税は、基礎控除額を超えない場合には申告が不要とされていますので、まずは対象になるかどうかの確認からになります。ただし、配偶者の税額軽減などの特例を使って税額がゼロになる場合は、申告書を提出すること自体が特例の適用要件とされています。金額の計算も含め、ご自身がどちらにあたるかは税務署や税理士にご確認ください。
3年|不動産の相続登記
不動産登記法第七十六条の二第一項は「所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない」と定めています。なお、いったん法定相続分どおりに登記をしたあとで遺産分割がまとまった場合については、同条第二項に、分割の日から3年以内に登記を申請するという定めが置かれています。先に法定相続分での登記をしていない場合は、第一項の3年がそのまま期限になりますので、この点はご注意ください。
あわせて知っておいていただきたいのが、この義務が2024年(令和6年)4月1日より前に相続した不動産にも及ぶという点です。法務省の「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(令和7年3月27日現在)には、義務化が始まったのは令和6年4月1日であるものの「令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産も、相続登記がされていないものは、義務化の対象になります」と説明されており、その場合の期限は令和9年(2027年)3月31日までとされています。長く名義がそのままになっているご実家は、こちらの期限が目安になります。
実家が空き家になる見込みであれば、名義の整理は早めに考えておかれると、その後の選択肢が広がります。空き家になったあとの流れについては徳島で相続した実家の空き家、片付けから活用までのロードマップにまとめていますので、あわせてご覧ください。
遺品整理は、いつ始めるとよいのでしょうか
「四十九日まで待つべきでしょうか」というご質問をよくいただきます。法律で決まった時期はありません。ご家族のお気持ちと、次の三つの事情から考えるのが現実的です。
● 賃貸住宅にお住まいだった場合
この場合は、退去の期日が実質の締切になります。家賃は明け渡すまで発生し続けますので、契約内容を早めにご確認ください。日程が決まっているなら、逆算して動く必要があります。
● 相続の方針が決まってから
先ほどの3か月の話につながります。放棄を含めて検討されている段階では、まず方針を定めることが先です。方針が固まってから片付けに入るほうが、結果として落ち着いて進められます。
● 法要などの区切りに合わせて
ご親族が集まるタイミングに合わせると、形見分けの話もその場で進みます。持ち帰るもの・残すものを一度で決められるので、ご家族の負担が減ります。ただし、相続放棄をご検討中の場合は、形見分けの扱いも先ほどの「処分」の話に関わってきます。方針が固まる前は、専門家にご確認のうえで進めてください。
手続きより先に探しておきたいもの
ここまでご説明した手続きには、書類が要ります。片付けを始める前でも、次のものは早めに見つけておかれると、あとの動きがずいぶん楽になります。
預貯金の通帳やキャッシュカード、年金証書、生命保険の証券、不動産の権利証や固定資産税の通知書、印鑑、貸金庫や車の鍵、そしてご本人が使っておられた携帯電話やパソコンです。近年は明細が紙で届かないことも多く、契約の存在に気づきにくくなっています。
作業中に貴重品が出てきたときの扱いについては、遺品整理で貴重品が出てきたら?徳島の業者の対応フローと確認点で詳しくご紹介しています。遠方にお住まいで現地に立ち会えないというご事情の場合は、徳島の実家の遺品整理を立ち会いなしで進める方法もご参考になさってください。
備えておけたら、ご遺族はずっと楽になります
ここまで読まれて、「思っていたより多い」と感じられたかもしれません。実際、ご遺族が短い期間にこれだけのことを判断するのは大変です。だからこそ、ご本人がお元気なうちに、通帳や証券のありか、お付き合いのあるお寺、お墓のことなどを書き残しておかれると、残された方の負担は大きく変わります。
何から始めるとよいかは徳島の終活の始め方、やることリストと相談できる専門家・窓口に、おひとりでお暮らしの方の備えについては徳島でひとり暮らしの終活|身元保証・死後事務の備えと家の片付けにまとめています。
なお、相続・税金・不動産の名義に関することは制度が細かく、ご家庭ごとに事情も異なります。判断に迷われる場合は、弁護士・司法書士・税理士などの専門家や、お住まいの市町村の窓口にご相談ください。この記事は制度の全体像をつかんでいただくためのもので、個別の判断に代わるものではありません。
お片付けのことは、私たちにご相談ください
手続きの期限に追われながら、家一軒分のお片付けまでご家族だけで抱えるのは、簡単なことではありません。量が多い、遠方で何度も通えない、仏壇やお人形の扱いに困っている——そうしたときは、無理をなさらずお声がけください。
便利堂ネコの手は、2009年の創業以来、徳島県全域で遺品整理・生前整理・空き家整理のお手伝いをしてまいりました。お見積りは無料で、追加料金はいただきません。ご希望に応じて女性スタッフが対応し、仏壇やお人形などの供養にも対応しています。年中無休で承っておりますので、ご都合のよいときにご相談いただけます。
お品物ひとつひとつを大切に扱い、ご家族のお気持ちに寄り添って進めてまいります。作業の内容は遺品整理のご案内、費用の目安は料金ページをご覧ください。ご不明な点はお問い合わせからお気軽にどうぞ。
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